愛され続けるボリューム満点メニュー 100年の歴史誇る老舗レストラン
Streets magazine 編集部
2024年2月1日
100年の歴史を守る3代目
大分市中央町、ガレリア竹町アーケードに店を構える「レストラン石合船」。ショーケースには、レトロな食品サンプルが並ぶ。それもそのはず。この店は、100年に渡って地元に愛される老舗なのである。
「気づけば店を継いで50年」そう振り返るのは、お店の3代目店主・天﨑政典さん。夫婦二人三脚で店を営んでいる。先代はその昔、「勉強亭」という名の、手打ちうどんや丼を提供するお店をこの場所で経営していた。天﨑さんが店を継いだ50年前は、ちょうど洋食文化が盛り上がりを見せ始めた時代。「石合船」と名前を変え、和洋中なんでも楽しめるレストランへと、新たに船出したのだそうだ。
店主の天﨑政典さん 奥様、スタッフの皆さんとともに100年の歴史を守る
「おすすめは、ない(笑)」選べないほどいろいろある名物
おすすめは何ですか?と聞くと、「ない!」と豪快に笑った天﨑さん。というのは冗談で、よくよく聞くと、ハンバーグやとり天、生姜焼き、スタミナ焼きなどの定食から、カツカレーやトンカツ南蛮、トンテキ・・・となにせ名物が多く、お客さんは思い思いにお気に入りの味を堪能しているといったようだった。筆者は、"本日のサービスメニュー”と書かれたトンテキが気になり、注文することにした。
トンテキ1100円(税込)平日ランチタイムはコーヒー付
運ばれてきた鉄板皿を見てびっくり。ジュージューと音を立て、湯気がもくもくあがるトンテキは、想像以上にボリューミー。アツアツを口に入れると、その分厚さとジューシーなうまみに頬がほころんだ。和風、が決め手の味付け。大根おろしと大葉がたっぷりのっていて、和風ソースとよく合い、さっぱりした味わい。からしがピリッと効いているのもポイントだ。
美術家に愛され 店内はまるでギャラリー
近隣のオフィスに勤めるビジネスマンのほか、近くに県立美術館OPAMがあることから、美術館を訪れる人たちもよく足を運んでくれるという石合船。だからなのか、店内には多くの絵画が飾られている。味わいのある照明と相まって、まるでギャラリーのようだ。
詳しく尋ねると「全部、お客さんが描いた絵です、色々飾ってくれて。」とのこと。中には、県内の有名な画家が手がけた作品もあった。食事を待つ間、食事が終わった後も、店内をぐるりと見渡しながら素敵な作品たちを楽しむことができた。
石合船のこれから
「夫は仕事が趣味ですから」と笑う奥様の隣で、天﨑さんは「お客さんが来てくれるのが本当にありがたい。これからもごひいきにしてください。よろしくお願いします。」と語った。
100年の歴史を誇る老舗「石合船」。これからも、街に、人に、愛され続けるだろう。