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臨床検査技師からコーヒーマイスターへ 20年の情熱を1杯に込める

臨床検査技師からコーヒーマイスターへ 20年の情熱を1杯に込める

Streets magazine 編集部

Streets magazine 編集部

2024年2月1日

コーヒーへの情熱 20年の修業の末、開業

大分市府内町、中心地の一角で香ばしいコーヒーが焙煎されているのは「イシカワ珈琲」。この店のマスター、石川隆之さんは「おいしいコーヒー」を追求し、20年の修業の末に開業した。「仕事を辞めてから始めました。音楽も好きだから、音楽を聴きながらコーヒーを焙煎するのが夢だったんです」と石川さんは話す。

木のぬくもりと香ばしい香り「イシカワ珈琲」

マスターの石川隆之さん

丁寧に淹れられる一杯

臨床検査技師からコーヒーマイスターへの転身

コーヒーに魅せられたのは学生時代、きっかけは一回り年上だったコーヒー愛好家のいとこに連れられてカフェ巡りをしたこと。「最初はコーヒーが分からなかった。おいしいコーヒーとは何だろうと興味を持った」といい、その答えを求める旅が始まった。臨床検査技師という職を持ちながら、縁があって大分市内の老舗〝珈琲店みまつ〟で指導を受けることに。焙煎に明け暮れるとともに全国の名店を訪ね、「美味しい珈琲は焙煎で決まる」と20年をかけて焙煎技術を習得した。

イシカワ珈琲の焙煎機 20年かけて生み出した焙煎技術を支える

石川さんのコーヒーにかける情熱

石川さんがこだわっているのが〝雑味のない透明度の高い珈琲〟。その肝となる焙煎の難しさについて、生ものであるコーヒー豆と向き合う点を挙げる。一発勝負で硬い豆の芯まで火を通さないといけないものの、焦げてしまっても生焼けでもダメ。窯や外気の温度や湿度、豆の種類などによって火の通し方が変わる中、最適な条件を探る。

手間をかけているのは焙煎だけではない。味を損なう原因、欠点がある豆を取り除くための〝ハンドピック〟も全て手作業だ。ここまで手間をかけたそのこだわりが、イシカワ珈琲の一杯の澄んだコーヒーをつくり出している。

見た目にも美しい、石川さんのコーヒー

コーヒー豆との向き合い方も重要だそうだ

人と人のつながりを

石川さんが店の役割として大切にしているのが「人と人のつながり」で、今は薄れてきた喫茶店文化を大分に根付かせたいと考えている。

ギャラリーやコンサートを季節ごとに開催。また、モーニングが一般的な県外の客に向けて午前9時から店を開けていて、県外のコーヒー好きと地元の人との情報交換や交流の場にもなっているそう。

コーヒーとともに音楽も楽しめるお店だ

コーヒーとともに音楽も楽しめるお店だ

コーヒーと共に歩む未来

春夏秋冬、朝昼晩、その時々に最も美味しい珈琲の提供を心掛けていて、石川さんは「コーヒーの正解はないけれど、おいしさはたくさんある。その多様性を楽しんで欲しい」と静かにほほ笑む。美味しい珈琲と心地いい音楽が流れるイシカワ珈琲、大分市中心部のこだわりの珈琲店には、いつまでもいたくなるような居心地の良さがあった。

「おいしさはたくさん、その時々のベストな一杯を」と石川さん

メニュー表に刻まれる、こだわりの商品たち

メニュー表に刻まれる、こだわりの商品たち

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