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「まるで秘密基地」なレトロ純喫茶 俳人店主が提供する、唯一無二の癒し空間

「まるで秘密基地」なレトロ純喫茶 俳人店主が提供する、唯一無二の癒し空間

Streets magazine 編集部

Streets magazine 編集部

2024年2月7日

「秘密基地みたい」ザ・レトロな空間

店舗と店舗の間に、ふと現れたような細長いドアがある。扉を開けばこれまた細長い階段がのびていて、上った先にはオレンジ色の柔らかい光が広がる。ここは、大分市中央町にある『純喫茶 草子洗(そうしあらい)』。昭和レトロの雰囲気漂う「秘密基地みたい」とお客さんから愛される空間だ。

ガレリア竹町商店街にある『純喫茶草子洗』 営業日には通りに看板が置かれている

ガレリア竹町商店街にある『純喫茶草子洗』 営業日には通りに看板が置かれている

「元々純喫茶が好きで。ある日突然、やろう!と思い立って、5年前に店を開きました。ここは元々雑貨屋さんで、20年の歴史があった場所。雰囲気にひとめぼれして、ここしか物件を見ていないのに決めちゃった。大家さんの方が驚いていました。」そんな勢いあふれるエピソードを語ってくれたのは、店主の草子洗さん。実は俳人としても活躍していて、その歴は10年以上。県内のメディアでは“俳句の名物先生”としても知られていて、定期的に俳句の教室も開いている。俳人としての自分の居場所にしたい、という想いも、お店のオープンに繋がったそうだ。

草子洗さん チャーミングなキャラクターが人気の、俳句の先生

店内を見渡すと、照明や家具、置き物のすべてが、ザ・レトロ。昔ながらのレストランを思わせる、食品サンプルもある。昭和50年代をイメージしているといい、世界観を極めるために店内のものは骨董品屋さんで買いそろえたそうだ。

昔を懐かしむかのようなお年寄りや、一息つきたいサラリーマン、ワクワク空間を楽しむ家族連れ、そしてレトロに惹かれた若者など、様々なお客さんがお店を訪れるという。

「若い子が『エモい!』って言ってた。エモーショナル?ってことみたい(笑)」昭和の空間を、令和世代も満喫しているようだ。

昭和の空気が流れる店内 よく見るとこちらは食品サンプル

昭和の空気が流れる店内 よく見るとこちらは食品サンプル

懐かしのドリンクやフード 俳人ならではの言葉遊びも

店内でいただけるドリンクやフードも、ザ・レトロ。人気は料理長が腕を振るうナポリタン。オレンジ色の照明に照らされたナポリタンを前にすると、なんだか別の時代にタイムスリップしたかのよう。クリームソーダも種類が豊富で、イチゴ味のものは『初恋クリームソーダ』という、なんとも素敵なネーミングだ。コーヒーにもこだわりがあり、ネルドリップで1杯1杯丁寧に淹れている。昔の喫茶店といえば“ネルドリップの深入りコーヒー”だったそうで、その味を再現したというお店のコーヒーは「どのお店よりも深入りだと思う」そう。

どこか懐かしさを感じるメニュー メニュー表を眺めるのも楽しい

どこか懐かしさを感じるメニュー メニュー表を眺めるのも楽しい

句会にタロット占い?!『純喫茶 草子洗』ならではの楽しみ方も

草子洗さんの俳人としての活躍ぶりは前述した通りだが、こちらのお店の中でも、俳句の講座や句会を開催しているという。

「たまたまお店に来てくれた20代の女の子2人組が、店内で目にした俳句に興味を持ってくれて。俳句やりたいって、そこからハマってくれました。」草子洗さんは嬉しそうにそう教えてくれた。句会は人気を呼んでいて、今では毎回多くの人が参加するらしい。

また、趣味だというタロット占いを、お客さんに披露することも。「手が空いた時にご希望があれば占うんですけど、私の手が空くまで2時間くらい待ってくれる人もいて・・・!」

もはやここは、ただの純喫茶ではない。『草子洗』ならではの魅力が詰まった、なかなか他にないような素敵な場所なのである。

「非日常の空間でリラックスしてほしい」

草子洗さんは、今後もこのお店の世界観を崩さずに、守り続けたいと話す。

「今の人はみんな疲れている気がする。ちょっと非日常が味わえるこの場所で、心身ともにリラックスしていただければと思います。」

時間帯によっては満席が続くというお店だが、平日のランチタイム後が、一番ゆっくりしている時間帯でおすすめだという。

ドアを開けて、階段をのぼる瞬間から、きっとワクワクする感覚を味わえると思う。その先に広がる「秘密基地」で、あなたも非日常を体験してみてはいかがだろうか。

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