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レトロ好きにはたまらない 再起遂げたカフェの魅力的すぎる空間とメニュー

レトロ好きにはたまらない 再起遂げたカフェの魅力的すぎる空間とメニュー

Streets magazine 編集部

Streets magazine 編集部

2024年2月1日

昭和の時代へタイムスリップ “ザ・レトロ”な空間とメニューがたまらない

澄んだ海のように真っ青なソーダに、アイスとホイップクリーム、サクランボがのったクリームソーダ。席に座って上を見上げると、チューリップの花びらを模した、どこか懐かしさを感じる照明。壁際のステンドグラスも、味わいがある。

ここは、大分市府内町にある「ジェラテリアふくろう府内店」。足を踏み入れれば昭和の時代にタイムスリップしたかのような“レトロ”を体験できるお店である。

青が美しい、写真映えするクリームソーダ

レトロなムード漂う店内

レトロなムード漂う店内

長年眠っていた空間を再生 街の憩いの場、復活ストーリー 

この場所はその昔、街で有名な喫茶店だった。しかし十数年前に、突如閉店。以来、お店はそのまま眠った状態だった。どうにか活気を取り戻せないか?人々のそんな期待の声に応え「お店を再起させよう」と動いたのが、古山圭二さんだ。

「街の伝統とか皆さんの拠点とか、そういう場所にしようと。でもいざ改装しようとしたら、電気もなくて真っ暗、前のお店のものもそのままで、一緒に作業をした仲間は『おばけがでそう』なんて恐がってました。」当時のことを、そう笑いながら振り返ってくれた。片付け、掃除から始まった復活プロジェクト。照明や椅子など、新店舗でも利用できそうなものは自分たちで丁寧に磨き上げた。地道な作業を続け、レトロな趣を、大切に引き継いだ。

自慢はお手製ジェラート 手作りメニューはどれもこだわりの一品

お店の名物は、豊富な種類を誇るジェラートだ。実は古山さんは、大分市内で障害者の就労支援施設を運営している。そこに所属する人などが施設で作っているのが、前述のジェラートなのである。ジェラテリアふくろう府内店では、ラムネ・チョコ・イチゴミルクなど約10種類を提供しするが、これまで開発されたジェラートは全部で100種類以上。パッケージのデザインも彼らが手がけているといい、かわいいイラストも人気を呼んでいる。

名物のお手製ジェラート

名物のお手製ジェラート

また、お店で提供されるコーヒーも、施設で焙煎しているという。生豆の選別から始まり、気温や湿度などの微妙な変化を捉えながら、その時のベストな火加減で豆を煎っていく。一人一人が特技を生かし心を込めて作った一品が、ジェラテリアふくろう府内店では味わえるのだ。

自家焙煎のこだわりコーヒー

自家焙煎のこだわりコーヒー

日々変化するお店 幅広いお客さんに愛される

お店の特徴を尋ねると、「日々変化していくところ」と答えてくれた。お店に関わっている人は、就労支援施設に所属する人、活動をサポートする人、街の人など、総勢30人以上。いろんな人が知恵と力を出し合っていて、店に立つスタッフもその時々だという。新メニュー開発にも余念がなく、古山さんいわく太ってしまいそうなほど(笑)試作を日々繰り返すらしい。ドリアやピザ、郷土料理のだんご汁など、フードメニューも充実だ。カラフルな7色ポップコーンも、最近の人気商品のひとつである。

7色ポップコーン

型にはまることなく、よりよいもの、よりよい時間を提供しようと、人も商品も変化し続ける。"レトロだけど新しい”。これも、ジェラテリアふくろう府内店の魅力のひとつかもしれない。

「お客さんは10代の若い方から年配の方までさまざまです。いろんな人に、ゆったりとしたレトロな空間を楽しんでほしいと思います。」取材の最後、古山さんとスタッフの皆さんはそう微笑んだ。

古山さんと、スタッフのみなさん

昔の店舗の看板をそのまま残す「ジェラテリアふくろう府内店」の外観 お店は階段を上がった2階にある

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