「銅板で焼く」たこ焼きがトロトロの極み 青春時代の憧れが生んだ名店
Streets magazine 編集部
2024年2月1日
中学時代の思い出からはじまる、たこ焼じろーの物語
「中学時代、塾の帰りによく通ったたこ焼き屋さんの雰囲気が好きで、憧れていました。自分もいつかやってみたいなって。」
微笑みながらそう語るのは、大分市中央町にある「たこ焼じろー」店長の青田悠二郎さん。青春時代に芽生えた夢を叶え、約5年前に店をオープンさせた。本場・大阪で3年間修業したという彼が作るたこ焼きには、足しげく通うファンも多い。
大きなタコと提灯が目印の「たこ焼じろー」
「本場の味を大分でも」と店長の青田悠二郎さん
びっくりするくらい中がトロトロ!秘密は焼き方にあり
大分では、多くのたこ焼き屋さんが鉄板を使っているというが、"銅板で焼く”のがたこ焼じろーのこだわり。
銅板を使い、リズミカルな手つきで焼いていく
銅板を使うと熱伝導が早いため、中がトロッとしたたこ焼きに仕上がるそう。筆者も焼きたてをいただいたが、そのトロトロ具合に思わず目が丸くなり「美味しい!」と声が出た。
また、生地に出汁をきかせているのもポイントで、何もつけずにそのまま食べても美味しいのが青田さんのたこ焼き。 おすすめは、塩とソース2種類の味が楽しめるメニューで、塩でいただくと特に素材の味が際立つ。
「塩とソースの半分半分」6個580円 8個680円(ともに税込)
コロナ禍に実感した、お客さんとの絆
コロナ禍、赤字経営が続き、約2年間お店を閉めざるを得なかったというたこ焼じろー。
しかし青田さんはその後、自らの夢を絶やすまいと店を再オープン。その時にお客さんからかけてもらった言葉が忘れられないという。
「常連さんから『二度と閉めないでくれ』と言われたんです。すごく嬉しかった。」
コロナ禍の様々な影響で「結構ギリギリでやらせてもらっています」と笑う青田さんだが、お店を愛してくれるお客さんのために、コスパの良さも守り続けている。通常のたこ焼きに加え、生中とたこ焼き6個で1100円(税込み)のセットもあり、人気を呼んでいる。
「高級料理にしたくない。気軽に食べてもらえる存在を守りたいんです。」
イートインもできる店内
人柄あふれるおもてなし
お店ではイートインが可能。テイクアウトについては、事前の電話予約も受け付けているということだ。
取材が終わった帰り道、お土産用にと購入した袋の中を覗くと、手書きのメッセージが添えられていた。お客さんを気遣う言葉に、寒空の下ほっこりした。
インタビュー中も誠実な姿が印象的だった青田さん。その人柄あふれる温かく美味しいおもてなしは、きっと多くの人を笑顔にするだろう。