
街ナカランチが500円~!?地元愛と野球愛にあふれた食堂とは

Streets magazine 編集部
2024年2月7日
安くてうまい!が勢ぞろい お客さんの味方でいたいから
値上げ値上げのこのご時世に、"500円台~”で心もお腹も満たしてくれるランチがいただけるなんて。ここは、大分市府内町にある『のつはる食堂』。大分の郷土料理である『だんご汁』や『とり天定食』、『唐揚げ定食』などをリーズナブルな価格で提供している。
「美味しくて安い。お客さんの味方でいたいから、それがこだわりです。」そう語るのはオーナーの森慎一郎さん。店の2大人気は『卵かけごはん定食』と『唐揚げ定食』だ。卵かけごはん定食は、新鮮卵がからんだごはんに、具沢山のビッグサイズな豚汁が付いている。それでなんと500円!

唐揚げ定食 店を訪れた際も多くの人が注文していた
そして、唐揚げ定食。こちらは筆者もいただいてみた。
口にすると、衣はサックサクで噛むたびに音が聞こえるほど。中の身はプリップリで柔らかく、ジュワワ~っと肉汁があふれだす。ニンニク・醤油などに漬け込み手間暇かけて作るというが、たしかにしっかり味が染みていて美味。大きな丼に入れられた白ごはんも、進む進む!具沢山の味噌汁は、具材のうまみと、いりこ・昆布でとった出汁、合わせ味噌が一緒になって、ホッと染み入る味だ。美味しくてボリューミーで、680円だとは大満足。街ナカランチでこれは嬉しい。
ランチタイムには周辺で働く人たちで賑わうというお店。お弁当の配達もしていて、毎日50個ほどの注文があるそうだ。

うれしい価格帯 でも味に妥協はない
「のつはる」の味を街でも
元々森さんは、自然が豊かな大分市野津原(のつはる)地区にある、宇曽山荘(うぞうさんそう)という宿泊施設の運営に携わっていた。しかしコロナ禍、厳しい状況に直面。地元の美味しい料理をお客さんに提供する機会が減ったことが悔しかった。そこで「人通りのある街ナカでなら」と、市内中心部のこの場所に「のつはる食堂」をオープンさせたのである。
「野津原の味を届けたい、と出てきたわけです。料理の腕を生かしたいと思って。」(森さん)
のつはる食堂でその腕を振るうのは、料理長の片岡秀文さん。片岡さんが作る料理は「安い上に、どれも美味しい」とお客さんに評判だそうだ。
圧倒的なコストパフォーマンスの良さ、たしかに頷ける。

オーナーの森 慎一郎さん(右)と、料理長の片岡秀文さん(左)
店内はまるで野球のスタジアム 大分B‐リングスとのつながり
大分には、地域に愛されるプロ野球チームがある。それが2020年に設立された『大分B‐リングス』だ。実は森さんは球団の代表取締役も務めていて、のつはる食堂には「B‐リングスの魅力をもっとたくさんの人に伝えたい」という想いも込められているのだ。店内に入ってまず驚いたのが、まるで野球のスタジアムみたい!だということ。バックネット裏から見るような光景が壁一面に広がり、B‐リングスのユニフォームも飾られていた。

野球観戦をしている気分になれそうな店内
「選手もお店に食べに来ますよ。チームに在籍してくれていた、あの内川聖一さんも、この場所で食事を楽しんでくれたりね。」森さんは野球少年のような笑顔で、そう教えてくれた。
球団の本拠地である大分市の別大興産スタジアムでは、試合の際、のつはる食堂の唐揚げとカレーが“球場メシ”として提供されている。お店の味は、そこでも大好評だそうだ。
夜営業も安さにこだわり
のつはる食堂は、夜は『B-RINGS SPORTS BAR』として営業する。ただ夜も、お客さんの味方、という考えは変わらない。コース料理付きの飲み放題が3000円。しかも時間は無制限(!)昼間と同じ美味しい料理をいただきながら、楽しい時間を好きなだけ満喫することができる。夜は森さんが接客することもあるらしく、「B‐リングスの話をしたりしながらね、楽しいですよ。」とのこと。お店にはB‐リングスファンだけでなく、いろんな人たちがお客さんとして訪れてくれるそうだ。
これからも"安くてうまい”を
今後も味と価格へのこだわりはそのままに、お客さんに喜んでもらえるお店であり続けるつもりだ。いずれは朝営業も目標の一つにしているという。
「間違いなく美味しい、そして安いので、ぜひお店に食べに来てください。そしてB‐リングスをもっと多くの方に知っていただいて、ファンが増えてくれたら嬉しいです。」
球団ののぼりが目を引く入り口。ぜひその扉をたたき、自慢の味で"大満足”してみてほしい。

大分B‐リングスの選手たちの笑顔が、店の目印