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今治の地で234年の歴史を紡ぐ和菓子の名店「一笑堂」

今治の地で234年の歴史を紡ぐ和菓子の名店「一笑堂」

#今治市内の美味しいグルメ特集

Streets magazine 編集部

Streets magazine 編集部

2024年10月8日

今治の老舗和菓子店「一笑堂」と言えば「鶏卵饅頭」だ。一口サイズのお饅頭で、卵を使った生地にギュっと餡がつまっている。素朴な味で長く今治の人に愛されてきた。

8代目店主の思いを込めた和菓子作り

今治市に店を構える一笑堂は、1790年創業の老舗和菓子店だ。現在は8代目となる門脇忠常さんが代々受け継いだ技と味を守りながら、新たな挑戦を続けている。

「変わらない味」を大事にしつつも、実は代々少しずつ改良を重ねてきたという。「なるべく分からないように」と笑う表情からは、伝統を守りつつも進化を恐れない姿勢が感じられる。

8代目の門脇忠常さん(左)

看板商品「鶏卵まんじゅう」の魅力

一笑堂の看板商品は、創業以来愛されてきた鶏卵饅頭だ。全卵を使った生地に、餡を包んで蒸し上げる。蒸す前の生地は卵黄の色そのままの黄色だ。 蒸したものと、平たく蒸して鉄板で焼き目をつけたものの2種類がある。門脇さんは「私はどちらかというと焼いたものが好き」と笑うが、どちらもおいしさは変わらない。

斬新な新商品開発

広島の大学を卒業後、東京の専門学校でお菓子作りを学んだ門脇さん。伝統を守る一方で、「シンプルだからこそいろいろ試したかった」と新しい商品開発にも積極的だ。遊び心からチョコレートで鶏卵饅頭をコーティングした「ちょこれいとう」を生み出した。

友達と鶏卵饅頭に「ワサビをいれてロシアンルーレットみたいな感じで」楽しんでいたときに思いついたのだとか。ワサビを入れたのがばれないようにチョコレートでコーティングしてみたのがはじまりだという。

 

凍らせてそのまま食べるので「ちょこれいとう」だ。パリッとしたチョコの触感と冷たい餡の絶妙な組み合わせがおいしい。 さらに最近では、日本酒に浸して凍らせた鶏卵饅頭「R-20」も売り出した。店主一推しの大人の味だ。

地元の人より、帰省客が手にとってくれることが多いそうで、手土産に鶏卵饅頭、自分用に「ちょこれいとう」や「R―20」を買っていくという。

 

賞味期間の延長と品質の向上

昔は「できたてをめがけて買いに来る人が多かった」そうで、できたてへの思いも強いが、従来4日間だった賞味期間を15日間に延ばせるよう真空パックした商品も先代から売り出し、お土産としての販路拡大にも取り組んでいる。

「できたても、もちろん美味しいですけど、日持ちがするようなパッケージもお客さん曰く遜色ないぐらい美味しい」と自信を見せる。

歴史ある和菓子店が、伝統を守りながらも新しい味や技術を取り入れ、未来へ変わらぬおいしさを繋いでいる。 「久しぶりの人も初めての人も食べてほしい」と門脇さん。 234年の歴史を持つ「一笑堂」の鶏卵饅頭はその名のとおり、「ひとつ」食べたら「笑顔」になるに違いない。

<公式ホームページ> https://www.isshodo.co.jp/

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