今治の商店街に誕生した「今治街中麦酒」 世界が認めた金賞ビール
#今治市内の美味しいグルメ特集
Streets magazine 編集部
2024年10月8日
2020年に今治の商店街にオープンし、注目を集めている「今治街中麦酒」。ここでは、愛媛の魅力を詰め込んだクラフトビールを製造・販売している。
「医療機器開発からクラフトビール醸造へ。理系の発想で生まれる個性豊かな味わい」
店長 兼 醸造長の中島さんは、もともと医療機器の開発に携わっていたという経歴の持ち主。「もともとクラフトビールを作りたいなと思っていたんですよ」と語る中島さん。クラフトビールを作りたいという中島さんの情熱が、今治の街に新たな風を吹き込んでいる。
店長兼醸造長の中島さん(左)
製造プロセスは、店舗の奥に併設された醸造所で行われる。「本当に必要最低限の設備を詰め込んでいる感じです」と中島さん。4つの発酵タンクを駆使し、月に4種類ほどのクラフトビールを製造。できたてのビールを即座に提供できるのが、醸造所併設の強みだ。
「店内で楽しむ至福のひとときとテイクアウトの魅力」
店内は木の温もりが感じられる落ち着いた雰囲気で、カウンターでは落ち着いてビールを楽しめる。建物内に醸造所があるため、ビールの製造を間近で見ることができるのも魅力の一つである。
メニューには8種類ほどのクラフトビールが並ぶ。定番のペールエールやIPAから、愛媛の特産品を使った個性的なビールも。「神の島レモンエールは、ビールが苦手な人でも苦味をあまり感じないんです」と中島さん。地元の柑橘を活かした爽やかな一杯は、暑い夏にはぴったりだ。
中にはコーヒーを使ったクラフトビールも。「大学の同級生が営む松山市のコーヒーロースターとコラボしたんです」と中島さん。コーヒーの香りとビールのコクが絶妙なハーモニーを奏でる。
よりたくさんの種類のビールを楽しみたい人向けに3種類の飲み比べセットもある。130mlのグラスで3種類のビールを楽しめる、クラフトビール初心者にぴったりのメニューだ。
3種類の飲み比べセット
今治のビールを県外へ オンラインでも販売できる形のビール製造
「今治街中麦酒」では、缶のクラフトビールも製造・販売している。中島さんは「自宅でも楽しんでいただけるようにラインナップも充実させています」と語る。特に人気なのは、愛媛の特産品を使ったフルーツビールや、季節限定のビールだ。これらのクラフトビールは、地元のスーパーや、オンラインショップでも購入可能で、全国どこでもその味を味わうことができる。
<オンラインショップ> [https://imb.theshop.jp/]
「今治街中麦酒」の缶ビールはデザインにもこだわりが。地元のアーティストとコラボしたラベルは、ビールの味わいを一層引き立てる。「クラフトビールの味だけでなく、見た目でも楽しんでいただきたい」と中島さんは語る。
世界が認めた味 金賞受賞の実力派ブルワリー
2020年にオープンした「今治街中麦酒」だが、開業わずか1年で、インターナショナル・ビアカップ2021で金賞を受賞した。「はれひめ Hazy IPA」という、愛媛のみかんを使ったクラフトビールが高い評価を得た。「あんまりすごいことって思ってなかったんですけど、周りの人から結構すごいことだよってよく言われて。」と中島さんは照れ笑いを浮かべる。
その後も数々の賞を獲得し続けており、2023年には限定製造した『Mango Hazy Pale Ale』が「インターナショナル・ビアカップ2023」で2度目の金賞を受賞した。
地元の食材を活かしながら、さらなる挑戦を続ける今治街中麦酒。今後の展望を聞くと、「まだまだ作ってみたいスタイルのクラフトビールがたくさんあるんです」と中島さんは意欲的だ。
ここでしか味わえない一杯を求めて、県内外問わず、多くの人が訪れている。クラフトビールファンはもちろん、ビールが少し苦手な人も楽しめる今治街中麦酒のビール。
今治の新たな名物として、その名を轟かせつつあるこのお店、旅の思い出に、地元の誇りとして、ぜひ一度立ち寄ってみてはいかがだろうか。