今治の老舗が紡ぐ、至福のかき氷体験 〜玉屋のミルクセーキが織りなす世界〜

昭和27年生まれのミルクセーキが、今なお多くの人々を魅了し続ける。愛媛県今治市に店を構える「玉屋」は、受け継がれる味を守りながら、唯一無二のかき氷で長年愛されてきた。

伝統を守りながら進化する4代目、そして未来を切り開く5代目

もともと「和菓子屋」だった玉屋の歴史は、明治時代にさかのぼる。

創業は1903年。大正時代に「みぞれ」や「金時」といったかき氷を提供し始めたという。 そして、昭和27年、看板商品となる「ミルクセーキ」が誕生。以来、70年余りもの間、変わらぬ味を守っている。

「ミルクセーキのレシピは、ほとんど変わってない」と語る4代目店主は、東京で修業したパティシエ。「玉屋」も和菓子屋から洋菓子店にした。今も先代の父親から受け継いだレシピを忠実に守りつつ、積極的に新しい食材や技術を取り入れたメニューを開発している。

現在は息子たちも5代目としてともに「玉屋」の味を守っていて、息子たちのことを語る4代目からは、家族への温かい想いと次世代への期待が滲む。関東出店や食事もできるカフェなど、息子たちはそれぞれが個性と才能を活かし、老舗「玉屋」に新しい風を吹き込んでいる。

驚きの口どけ！「シェイク＆ホイップ」の秘密

玉屋のかき氷が他と一線を画すのは、その独自の製法にある。「シェイク＆ホイップ」したかき氷は驚くほどなめらかな口どけで、4代目は「シャーベットとスムージーの間」「ここでしか味わえない」と笑う。

ミルクセーキも卵とミルク、砂糖などをシェイクしながらホイップすることで生まれた。 口に入れた瞬間の驚きと感動は「マネできない口どけ」だ。甘いミルクの後味がやさしくふんわり口の中に広がる。 「玉屋」のかき氷は今治で長く多くの人を幸せにしてきたのである。

30種類以上のバリエーション！進化し続ける玉屋のメニュー

「玉屋」は伝統のミルクセーキを守りつつ、常に新しい味への挑戦を続けている。メニューは実に30種類以上ある。「ミルクセーキ」に続き「エリーの苺ミルク」や「宇治金時ミルク」などの人気が高いが、この夏のおススメは「カシス(ミルク付)」。小さなタピオカ入りで、酸っぱさが癖になりそうな大人の味だ。壁に貼られた「カシス(ミルク付)」の写真には「熱中症対策に効果大」と手書きで添えられている。「Ｒ＋１５指定のかき氷　酸っぱい度★3」と遊び心も忘れない。

店内には写真付きでオススメかき氷が並んでいて、多彩なメニューからひとつを選ぶのは実に悩ましい。何度も足を運び、ぜひ新しい味に挑戦したいものである。訪れるたびに新しい出会い、発見があるに違いない。

全国展開へ！関東でも味わえる玉屋のかき氷　限定の味も

今や玉屋の人気は全国区である。県内の松山市、新居浜市のほか関東にも店舗を構え、さらには期間限定でデパートへの出店も行っている。 地域によって好まれる味も違うと、関東限定で4代目が考案したメニューもある。「チョコミント」だ。「チョコミントは関西では売れない」と4代目。売れるメニューを考案するのは「わくわくする」と笑みがこぼれる。優秀なパティシエであり、根っからの商売人でもある顔が垣間見える。

4代目が店に立つ今治の店舗は7月と8月は休みなしで営業。「夏はやっぱりお客さん多いですね。」と笑顔で語る。 インバウンドの観光客の来店も増えており、抹茶味が特に人気だという。

親子で紡ぐ未来！新しい挑戦と玉屋のこれから

今なお、進化を続けている「玉屋」。カフェの運営、新しい店舗展開と息子たちは新たな夢を形にしている。そして4代目自身も、体調を崩して一時は店を離れていたものの、今では新しい味の開発に意欲を燃やしている。

新たに作るかき氷には「パティシエが創ったヌーベルグラス」と名付けたいと茶目っ気たっぷりに教えてくれた。フランス語で「新しいかき氷」だ。

ミルクセーキの味を守りながら、新しい味を開拓する玉屋の挑戦と進化は止まらない。 今治が誇る玉屋のかき氷。訪れる人々の心に、甘美な記憶として刻まれることだろう。

＜今治観光協会　店舗紹介ページ＞ https://www.oideya.gr.jp/gourmet-c/tamaya/#:~:text=%E7%8E%89%E5%B1%8B%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AC%20%E2%80%93