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「魚貞蒲鉾店」150年の伝統と革新が織りなす瀬戸内の絶品

「魚貞蒲鉾店」150年の伝統と革新が織りなす瀬戸内の絶品

#今治市内の美味しいグルメ特集

Streets magazine 編集部

Streets magazine 編集部

2024年10月8日

今治の中心部の商店街に佇む「魚貞蒲鉾店」。明治4年創業の老舗蒲鉾店は、150年以上にわたって地元の人々に愛され続けてきた。5代目の岡部晃弘さんは、代々受け継いできた味を守りながら新しいアイデアで、時代に合わせた商品も生み出している。

 

地元の新鮮な魚を使ったこだわりのかまぼこ

かまぼこ作りの基本は、新鮮な魚を使うこと。今治で獲れた魚にこだわってきたが、地元漁師さんが減り、その確保は難しくなっている。海水温度の上昇で、とれなくなった魚もあるといい、冷凍のすり身も取り入れながら変わらない品質を守っている。

 

そのままで美味しい!魚貞蒲鉾店

かまぼこ作りはまず、さばいた魚を機械にかけて骨と皮を取り除くところから。そして水に晒して、余分な脂を抜く。これで刺身をすりつぶしたような状態に。これをミンチがけして臼ですりつぶして、蒸したり、揚げたりして「すまき」や「天ぷら」「ちくわ」などの出来上がり。

魚貞蒲鉾店の看板商品は「すまき」と「鮮魚カステーラ」。「すまき」はすり潰した魚の身を細いストロー杖の物で巻いて蒸す。魚貞のすまきの特徴はそのままで食べられる味わい。お醤油をつけなくてもおいしく食べられる。

「鮮魚カステーラ」は魚のすり身に卵、砂糖を加え、蒸して焼き上げたもので、チーズ入りのものもある。巻き寿司に卵焼きの代わりに入れる人もいるそう。

「天ぷら」はすり身を四角く揚げたもので、魚貞の「天ぷら」は甘めなのが特徴だ。 生活スタイルや時代に合わせ、甘み、軟らかさなど、少しずつ改良をしているが、創業以来、「昔と変わらない味」を大切に守り続けている。

伝統と革新の融合:新しい商品開発への挑戦 

「生き残るために」 魚貞は新しい商品の開発にも挑戦している。

すまき用のすり身に4種類のナッツ入れた「ナッツ入りかまぼこ」はお酒のおつまみに。「豆腐かまぼこ」は今治の郷土料理「いぎす豆腐」にヒントを得たもので、すり身と同量ほどの豆腐が入っていて、新しい食感が楽しめる。

「試せるものはなんでも試した」と語る岡部さん。進化系かまぼこで現代の食生活に新しい提案を続けている。

地元の人の味覚に合わせた「じゃこ天」

ずいぶん前に関東などで起こった「じゃこ天」ブーム。宇和島の「じゃこ天」は好みに合わないという地元の人の声を聞き、骨や皮を細かくすりつぶし、ソフトな食感に仕上げた「じゃこ天」を売り出した。確かな知識と技で地元常連客の想いに応えている。

5代目の岡部晃弘さん

かつての賑わいを失いつつある商店街だが…

店のある商店街は立派なアーケードを持ち、かつての賑わいをうかがわせるが、今では多くの店がシャッターを下ろしている。

それでも老舗の味を求めて、魚貞の蒲鉾を買おうと商店街に足を運ぶ人が。 「最高級品」「贈答用は魚貞で」と今治で長く愛されてきた老舗蒲鉾店は伝統の味を大切にしながら、蒲鉾の可能性とおいしさを広く知ってもらうため、新しい味への挑戦を続けている。

瀬戸内の海の恵みを受け継ぎ、地域に寄り添いながら進化を続けるこの老舗の味を、ぜひ味わってみてほしい。

<公式ホームページ> https://uosada.raku-uru.jp/#:~:text=%E5%89%B5%E6%A5%AD%E4%BB%A5%E6%9D%A5%E3%81%AE%E4%BC%9D%E7%B5%B1%E3%81%AE%E6%89%8B%E4%BD%9C

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